今晩はやけに冷える。日中陽射しが良い心地だったから、そう感じるのか。
「今日も一日お疲れ様、俺」
と、自分で自分を労いつつ静かな酒宴が始まる。
いつものやつ

最近いつも呑んでるバーリアルグランドと年季の入ったタンブラー。
仕事終わりの帰宅後、年季の入ったタンブラーを
「また後でね」
と、冷凍庫に投入。
ひとしきり肴を用意し終えた頃、俺の晩酌が始まる。
ハードパンチャー

生鰹とわかめの和え物。
タレはポン酢に和辛子、生姜、にんにくを混ぜて漬けっぽくしてあるので、かなりパンチが効いた味になっている。
晩酌記 第二夜以来生わかめにハマってしまったので、今日は鰹と和えてみた。
わかめと鰹をともに口へ運び込む。一口噛む。
わかめの磯の薫り、そしてコリコリ食感が漬け状態の鰹のとろっとした食感に合う。俗に言うか言わないかは定かではないが、コリとろ食感というやつだ。
噛むほどにわかめの薫り、鰹の旨味、タレの辛子や生姜のパンチが効き、最後ににんにくの風味が鼻を駆け抜ける。
そこにバーリアルグランドを流し込む。麦の風味と爽快な喉への刺激がたまらない。
今日の疲れを吹き飛ばすかの様なハードパンチにノックアウト寸前だ。
山吹色の夜

徳利もいらない。
冷やしもしない。
燗もしない。
そのまま開ける。
上蓋を外し、中蓋を開ける。ビールの様に「カシュッ」とは鳴かない。こいつは「クワシュ」と鳴く。
鼻を近づけると、透明なのに、山吹色の匂いがした。
どこかで聞いた台詞だが、俺も同じことを思ったことがある。
過去に思いを馳せるも良し。未来に思いを馳せるも良し。でも今の俺の前には、こいつがいる。
働くのは面倒だ。だからワンチャンを夢見る。でも結局、仕事に行く。
それが俺だ。
ワンチャン当たったらどうするかって?たぶん、誰にも言わない。仕事も辞めずにしれっと出勤する。まずは借りたもんを返す。残りは三つに分ける。家と、俺と、かみさん。夢は見るが、逃げはしない。
酒もいつものやつでじゅうぶんだ。
定番の唐辛子醤油

日本酒に酔わされたなら肴はこれ。鰹の刺身だ。もうお馴染みの唐辛子醤油でいただく。唐辛子が鰹の生臭さを消してくれるだけでなく、その辛さが鰹の甘さを際立たせる。
今日は色々あった。きっと明日も色々あるだろう。それも含めてすべてこの山吹色の夜が包み込んでくれる。
そろそろこのワンカップを呑み干す時がきた。
呑み干す向こう側

山吹色の後は再び黄金色。
タンブラーではなくワンカップをそのまま容器にする。
こいつを呑み干す頃に肴も食べ終わる。
今宵の晩酌も良き宴であった。そして気付く。
今宵も丸いあいつの出番がなかった事に…
まとめ

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